新しい学習のスタイルを模索している

科学的根拠に基づく最高の勉強法という書籍を読んだ。

結論として、最強の学習法は『「白紙を前にして思いだす」ことを定期的に実行すること』であるとされる。

要素分解すると、白紙勉強法(=「白紙を前にして思い出す」)は、3つの利点を持つ。

  1. コンテキストによる間接的な想起を防ぐことができる(人間はページの位置や前後関係など本質ではないコンテキストから物事を記憶する能力があるため)

  2. 自分の理解度・記憶度のレベルを測ることができる

  3. 探索的な学習を行うこともできる(白紙に描かれた要素同士のセレンディピティー的な連関を見つける、など)

これを定期的に実行する必要があるのは、「エビングハウスの忘却曲線」の通り、人間の記憶力は時間を変数にした減衰曲線を描くからである。

さもありなん。確かにこれは最強の勉強法と言われても納得できるロジックである。


一方で、あまり意志が強い方ではない自分としては、この方法を実践・習慣化するのは意外とハードルの高さを感じている。

PCをベースに作業する時間が多いと、「時間をとって紙を広げて想起する行為」そのものに対して心理的なハードルが高いのだ。

また、トピックが決まっている(例えば、試験勉強など)とやりやすいのだが、普段の学習に取り入れるのも意外と困ることがある。

もっというと、そもそも納得感のある「最高の勉強法」があるのに、その実践は結局個人のノウハウに収斂してしまっているような気もする(当たり前なのだが)。


しかしながら、要素を分解していくと、この勉強法をサポートしているテクノロジーも散見される。

例えば、Ankiをはじめとする単語帳アプリは、「エビングハウスの忘却曲線」に抗うための効果的な想起ロジックが組まれている。

白紙勉強法も似たようなテクノロジーはないだろうか、あるいはもっというとGamifyするようなプラットフォームがないだろうか。


直近、自分としてはエンジニアリングの理解をより深化させていきたいという目標がある。

特に、自分には「物事をアナロジーを用いて曖昧に捉える」癖があり、大枠を理解して細部を蔑ろにする傾向があり、改めてぼやけた全体像について解像度を上げていくトレーニングが必要である。

そこで、擬似的な白紙学習法として、以下のような学習フローを組んでみることにした。

① 探索フェーズ

  1. 大トピックを設定する(例えば、「DNSとは何か説明せよ」など)

  2. これに対する解答をフリーフォームで作成する。

  3. GPTに食わせて点数を算出する。

  4. 関連する問題をGPTに出題させたり、自分で設定する。

② 想起フェーズ

  1. 算出された点数ならびにエビングハウス曲線に従って、問題を再出題していく。

これを実現するプラットフォーム、なかなかいい感じな気がするので、開発してみるか…